謹んで新年のお慶びを申し上げます。新たな年、令和7年も何卒よろしくお願い申し上げます。 年末年始は真冬らしい寒さになりましたね。またインフルエンザはじめ感染症の患者数が非常に増加しています。そんな中でせき止め薬不足が長期化しており、在庫確保と共に、OTC薬での代用などの対応も求められますね。
さて、帝国データバンクによりますと、2023年度末時点の全国薬局数は6万2828施設と人口減少社会にあってもこの10年で10%増加しており、業者間競争が激化。令和6年の医療機関と調剤薬局の倒産は過去10年で最多に。 年末に下記書籍(倉本長治の商人学)を読みましたが、解説のユニクロ・柳井正氏は「行き過ぎた店舗の効率化・標準化が買物の楽しみを奪ってしまった」との考えから、【個店主義】を説いています。...調剤薬局を巡る事業環境は大きく変わってきており、社会保障(調剤)に頼り過ぎない健康維持や日々の健康に関わっていくことも必要です。その一環として、物販やOTCを通じて、患者さん・地域住民の方に自薬局の「人」「雰囲気」「楽しさ」「気軽さ」を感じられる様な【個店主義】は、5年後の調剤薬局経営において重要な要素になるのではないでしょうか。
令和7年のスタート月、今月も『モノでなく、お客さん目線で考える!』という視点から3つシェアしたいと思います。 1つめは、流通情報誌「激流」1月号の特別レポートより★どの業態にも共通課題である「原材料高」「物流費の高騰」「人手不足」「人口減少社会の進行」。 ★ホームセンター業界は、コロナ特需は大きかったが、耐久消費材の先取りの反動が出て、既存店客数は40ヶ月連続減少の異常事態にあり、各社が客数を維持するための価格訴求を強めている。 ★その中にあって、無印良品はこの3年で業績回復。...地域に密着した個店経営を軸とした事業モデルを構築中で、従来は月1回だった来店頻度を週1回に引き上げ、日常使いの店づくりを目指している。 ★コンビニはデイリーストア(一日一回利用)。拡大を続けるドラッグストアは以前はマンスリーストア(月一回)でしたが、取り扱い商品の拡大に伴い、今やウィークリーストア~デイリーストアになっています。 では、調剤薬局はどうでしょうか?...現在は患者さんが平均月一回利用であり、20~30年以上続いてきたビジネスモデルですが、上記レポートにあります様に前年踏襲型のみの繰り返しでは厳しくなりますね。
2つめは、倉本長治の商人学「店は客のためにあり、店員とともに栄え、店主とともに滅びる」より◆お客様は「物」を求めているのではありません。...繫盛は、お客様との心の結びつきをどれほど強くできるかによる。 ◆お客様はいつも淋しい。 ◆「1.01と0.99の法則」...現状に対し、1%(1.01)の少しの努力と少しの怠惰1%(0.99)の差は僅か2%(0.02)に過ぎないが、この差が1年続くと38倍もの圧倒的な差になる。 ◆「5:25の法則」...顧客離れを5%改善できれば、利益が25%改善される。 ◆自分が「客」という立場だったら「こうして欲しい」と思うことを素直にやればいい。 ◆「250の法則」...1人の人は平均250人の人とつながっている。お客様1人を満足させれば、そのお客様とつながっている250人に広がる可能性がある(逆も、しかり)!
3つめは、「店頭での試飲・試塗り・ひと言による差」★店頭でお客様・患者様に「冷え症・温め対策」「お肌の乾燥対策」等で試飲や試塗り、ひと声かけを積極的に行っておられる先では、「えっ!」と驚く差が生まれています。 ・黒豆茶の試飲サービス継続中で、コンスタントに月20~30個追加。 ・定期的にしょうが湯の試飲日を設け(テーブルに設置)、20個程度をコンスタントに販売。 ・アミノ高麗紅参液が試飲で動きが良くなり、毎月12本。・ハンドクリームで10個まとめ買いの患者さんあり。 ・ハンドクリームとフルーツビネガーを投薬カウンターに設置され、共に毎月12個追加。 ・スパチュラを使ってハンドクリームの試塗りを勧めており、24個追加。 ・ハンドCを昨シーズン200個販売された調剤薬局様は、調剤が多忙の中でも試し塗りを勧められ先月42個販売。 ・試供品とワンポイントアドバイスでリンクルを2ヶ月連続12個。 代表取締役 天 野 晃 治 |