こんにちは。1月は厳しい寒さが続きましたね。コロナ禍も丸2年となり、オミクロン株の感染急拡大がとても気になるところですが、対策と共に新たな指針を早く出してもらいたいものです。その一方で、夏以降と思われる「出口」、そしてコロナ以前の行動様式に戻ることはないと指摘される「コロナ後」も視野に入れないといけませんね。
関連しますが、週刊ダイヤモンド1/29号の特集は、「薬剤師、薬局、大淘汰!」でした。 ◆薬局6万店を襲う淘汰のメス ◆薬剤師31万人に迫る淘汰の荒波 ◆薬学部の「淘汰危険度ランキング」 この数年、ビジネス専門誌に定期的にこうした特集が組まれる様になりましたが、医薬分業の国策の元で横一線でやってこられた調剤薬局業界が次代への転換期に直面していることは明白です。
令和4年の2ヶ月め。今月も『モノでなく、お客さん目線で考える!』という視点から3つシェアしたいと思います。
1つめは、「ニッチ戦略の考え方」について。
★「ニッチ戦略」とは、ライバル(競合他社・他店)と戦うことではなく、戦わなくても良い会社(お店)独自の魅力(価値、存在感)を作っていくこと・磨き上げていくこと。
★大手に支配されていない限られたニッチ市場で利益を上げていくこと。
★ニッチ戦略だと、市場が限られるため、競争が少なく、労力をお客様にふり向けることができる。
★但し、成長分野でも多くの企業が入ってきて同質化競争になったり、ライバルの動向を気にし過ぎると顧客志向が弱くなり、利益が出ず疲弊してしまう。
では、お客様目線から見て、【自店の魅力(他店との違い)】は何でしょうか?...ニッチ戦略的に考えて、【自店ならではの小さな改革・チャレンジ】【自店ならではのサービスメニュー】は、どんなことが考えられるでしょうか?
2つめは、「店舗の居心地の良さ、空気感」について。
◆顧客に必要とされ、リピート利用される店舗になっていくには、看板である【本業・メイン商品・サービスメニュー】は当然必要ですが、それを生かすのに大事なのは、店舗の【居心地の良さ・空気感】【コミュニケーション】。
◆消費者目線で考えると、人は、単に髪を切ってもらう為だけに美容室へ行くわけではありません。
人は、体を揉んでもらう為だけにマッサージ店へ行くわけではありません。
人は、お腹を満たす為だけに飲食店へ行くのでもない。
◆2022年度診療報酬改定で導入される方向のリフィル処方(処方箋の反復利用)では、クリニックがドクターの人気で選ばれるのと同様に、調剤薬局も薬剤師・スタッフの専門性や人間性で選ばれる時代になってくるとの指摘があります。
「薬剤師・スタッフとのやり取りが楽しい薬局」「居心地の良い薬局」「敷居が低く、地域住民にとって入りやすい薬局」は選ばれやすいですね。...先月お会いした先生は、地道な明るい活動力・会話力で処方箋客が大幅増とのことでした。
3つめは、「物販で、つながりを作る・深める」
★今後、片道10分商圏(徒歩で、自転車で、車で)の中で、「お客さん・患者さん・地域住民に選ばれ、繰り返し利用してもらう薬局」になっていくために【顧客とのつながり作り・キッカケ作り】はますます大きなキーワード。
★決まった処方薬・商品・サービスを提供するだけでは、続けて選んでもらえる保証はありません。...実際、ドラッグストアの調剤併設店がどんどん増えており、調剤待ちの間に買物が出来る便利性は脅威でもあります。
★「新たな収益源として物販をやらないといけない!」という声・ご相談が増えていますが、調剤薬局で物販に取り組む目的は何でしょうか?...物販で、つながり(接点)を作り、深めるキッカケにすることにあると思います。
★ドラッグストアやコンビニで会話をして買物をしたい人はいませんが(滞在時間も数分)、物理的にも狭く、薬剤師さん・スタッフさんとの距離が近い調剤薬局ならどうでしょうか?
・物販をすることで、お薬を渡して終わりにならず、商品を介した患者さんとの会話が生まれます(増えます)。
・狭い店舗でも、待合の椅子から全ての商品が見え、手に取れる工夫をすると、消費行動や購入刺激が生まれます。
業界紙・薬局新聞2/2号の一面「ヘルスケア物販の拡売で経営強化」では、2軒の薬局様にご協力いただき、地域に根づいた薬局の姿・取組みをレポートさせていただきました。
代表取締役 天 野 晃 治
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