こんにちは。コロナ禍1年10ヶ月を経ての令和3年師走。ようやく国内の社会経済活動が目に見えて活発になってきましたが、このコロナ禍で環境変化が4~5年前倒しで進んでおり、課題の先送りは将来的なリスクを高めそうです。 ビジネスモデルの限界が指摘されている調剤薬局業界においても、大手チェーンが8月に始まった認定制度で、普段の健康に幅広く応じる「地域連携薬局」と、特定の病気治療で医療機関と連携して取り組む「専門医療機関連携薬局」のいづれか、又は両方の取得に動き出しています。地域連携薬局に重なる部分が多い「健康サポート薬局」取得を含め、5年後10年後に向けての生き残りや、ドラッグチェーン(調剤併設店)との差別化を図ることが肝要になってきており、中小・個人薬局においても、今後の自社・自店のあるべき姿を構築するタイミングになってきましたね。
令和3年も残り1ヶ月。今月も『モノでなく、お客さん目線で考える!』という視点から3つシェアしたいと思います。 1つめは、森永卓郎氏の講演より。★新型コロナが落ち着いてきて、まだ海外客は受け入れられないが、アフターコロナに向かう。来年ぐらいまではコロナの影響は残るが、この間に何をしておくかが、5年後10年後に大きく影響する。 ★18年前に「年収300万円時代を生き抜く経済学」を書いた時にはボロクソに言われたが、今、日本で一番多いのは年収200万円台・300万円台で日本の強みだった中間所得者が薄くなってしまった。 ★今後、AIの進展や機械化が進むと、簡単な仕事がなくなり、さらに拍車がかかる。...アマゾンの物流センターで働く人がハンディターミナルの指示(時間制限つきの)で追いまくられ、疲弊している例。 ★事業規模に関係なく、自分で仕事に創意工夫が出来、楽しみを見出し、前向きに仕事に取り組める人が、ビジネス現場で生き残っていく。
2つめは、TBS「日曜日の初耳学」に出演した森岡毅氏(ユニバーサルスタジオや西武ゆうえんち等のⅤ字回復の仕掛け人)。◆「冷静な客観性(数学的な考え方・確率で考えること)」と、「情熱」の両方あってこそであり、やみくもに頑張っても成功確率は上がらない!...「何を頑張るか?」「どこに集中するか?」 ◆定数(自分では、どうしようもないこと・変えられないこと)に時間を浪費するのではなく、変数(自分が主体となって変えられること)に時間を費やすべき。 ◆お客さんの本能にぶっ刺されば、受け入れられる! ◆強みを徹底的に伸ばすしかない。...伝わらなければ、結局は何もないのと同じ! 森岡氏は著書の中で「技術による差別化が作りにくい【ローテク業界】こそ、マーケティング的な考え方の差が大きく表れる!」と指摘しています。地域に根づいた、日々の健康相談のプラットフォームである薬局においても、こうした視点を持つことは有効だと思います。
3つめは、『近くの、見知った薬局で補聴器の相談をする理由』★弊社が取り組んで10年になる補聴器事業(お取引薬局・調剤薬局さまへ専門相談員を派遣しての聞こえの相談会、オーダーメイド補聴器のご購入)は、コロナ禍でのご相談が増えており、コロナ前の実績を上回ってきました。 ★補聴器を扱うお店は、補聴器センター、家電屋、最近ではメガネ屋、そして薬局などですが、【お客さんが求めているもの】は何でしょうか? ・補聴器センターでは、平均で月5~10件程度のご購入があるそうですが、そのほとんどが買い替え需要とのこと。 ・メガネ店では、メガネの売上減をカバーする為に、補聴器に力を入れており、低価格帯で集客を図っている。 ★超高齢社会にコロナ禍が加わり、消費者の行動範囲が【10分商圏(車で、自転車で、歩きで)】に狭まっています。そんな中で普段から行き慣れた薬局や近くにある調剤薬局で、専門の相談員さんによる丁寧な相談を受けられ、検査や試した上での購入まで出来るならどうでしょうか?...また購入後も「その後の調子はいかがですか?」と定期的なフォロー訪問もしてくれるならどうでしょうか? ★保険薬局・調剤薬局の主要顧客は聞こえの悩みをお持ちの年代が多く「店頭ポスター」「チラシの手渡し」「店前ボード(補聴器相談を始めました)」に反応される方が多いです。 代表取締役 天 野 晃 治 |
令和3年12月1日付
- 投稿日:2021年12月 1日