こんにちは。コロナ禍1年9ヶ月を経て、ようやく社会経済活動が目に見えて活発になりつつありますが、消費の2極化と共に、大手小売業間の競争が激化しチラシにも低価格がかなり目につく様になりました。
先月の日経新聞の社説「たそがれの結果至上経済」には、
◆今後の消費は、「これでいい」という量販型と、「これがいい」というこだわり型を使い分ける姿がより顕著に。
◆「これでいい消費」分野は、競争がますます激化し、コモディティー商品を扱うドラッグストアやスーパーは業界再編に拍車が。
中小・個人店にとって一番大切なことは【地元で繰り返し利用してくれる常連さんを増やす】【自店を認知してもらう発信・アクションを定期的にする】こと。顧客・地域住民から「これがいい」「ここがいい」と思っていただけることに注力しましょう!
令和3年も残り2ヶ月。今月も『モノでなく、お客さん目線で考える!』という視点から3つシェアしたいと思います。
1つめは、『不確実性(超入門)~私たちはどう備えればいいのか~(日経ビジネス)』より。
★コロナショック(パンデミック)の可能性は、比較的多くの人が認識し、いずれ大問題になり得ることが分かっていたのに、リスクを軽視していた。
★人は、ただ漫然とリスクが高まっていると言われるだけでは、具体的な脅威が目の前に差し迫らないと、リスクに真剣に向き合わないもの。
★「未来=‟既に起きた未来(予測可能な未来)"+‟不確実性(予測出来ない部分)"」
★結果を確定的に予測出来ないものは厄介だが、多くの事例を集めれば、確率を上げて対処していくことは可能。
「超高齢社会」「人口減少社会」におけるビジネスも同じこと。自社・自店の在り方、5年後10年後の収益を考えて、短期的な結果に振り回されず、長期的な取り組みを粘り強く続けていくことが肝要ですね。
2つめは、『選択肢が多過ぎると購入率が下がる』
◆コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授は、ベストセラー「選択の科学」の中で、「選択肢が多ければ多いほど、顧客の購買意欲は低下する」と指摘。
◆【ジャムの実験】では、スーパーマーケットで①6種類のジャム②24種類のジャムの2パターンで試食販売したところ、
・24種類の試食の方が人は多く集まったが、
・6種類の試食では試食した人の30%が購入したのに対し、24種類の試食では3%の購入(10倍の差!)。
◆人は選択肢が多過ぎると、考えることにストレスを感じ、選びづらくなったり、選択を避ける傾向がある。
◆人に選択してもらう時には選択肢を5~9個ぐらいに絞って提案する方が、相手は選びやすい。
私たちも日常の消費で、「本日のランチⒶ、Ⓑ、Ⓒ」「本日のオススメ(5~9品)」「当店の売上トップ10」とあると、ストレスなく選びやすいですよね。顧客目線で選択しやすい環境(売場)を作ることで売上・顧客満足にもつながります。
3つめは、『おススメを仕組みで売る、狙って売る』
★【仕組みで売る】の第1のポイントは、店舗の「ここに置けば必ず目立つ(必ず売れる)」一等地売場に、しっかり山積み陳列すること。
・山積みにより、目立つと共に、おススメ感を出すことが出来、購入率が大きく上がります。
・一定期間続けることにより、リピート購入にもつながります。
・こうしたことを定期的(3ヶ月ごと・シーズンごと)にやることにより、お客さんも飽きませんし、販売側も同様です。
★この【狙って売る仕組み・パターン】が出来ますと、商品やサービスを入れ替えて、何度でも再現が可能になります。
★弊社の事例としては、まず第一に「昭和8年からの超ロングセラー薬用入浴剤・オンセンス」の【山積み】。
・昨冬から、お取り扱い薬局の4割ぐらいの薬局さまが通常は2~3缶の店頭在庫だったものを6缶陳列にされたり、中には10~20缶積まれた調剤薬局様もありました。結果としてお客様・患者様が関心を持たれての購入・まとめ買いにつながって、シーズンに40%も(!)伸長しました。
【ハンドクリームの量陳・2ヶ所陳列】でも、早くも先月は「36個販売」「30個追加」の薬局様が出ております。
めっきり寒くなってきましたので是非、お取組み下さい。
代表取締役 天 野 晃 治
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