こんにちは。コロナ禍で2回目の猛暑を迎えています。開幕直前まで色々な問題で揺れ動いた東京五輪ですが、前例のない無観客の中で熱戦を繰り広げる選手には大拍手を送りたいですね。 さて、先日の日本薬剤師会定時総会では、「不祥事による混乱もあり深刻化する後発医薬品供給問題」「新型コロナワクチン接種問題」「改正薬機法が薬局薬剤師に求めるもの」「調剤薬局におけるOTC薬取扱いについて」などが議論されたとのこと。それに先立つ保険薬局連合会フォーラムでは、厚労省・紀平薬剤管理官が、「これまでの調剤中心の業務の延長には地域包括ケアでの薬剤師の役割はない」「薬局の数は既に十分であり、今後は量より質が求められる」との発言。色々な面で、【変化の時】【差別化を考える時】になってきています。
令和3年8ヶ月めの今月も『モノでなく、お客さん目線で考える!』という視点から3つシェアしたいと思います。 1つめは、『65歳以上のシニア消費の急回復を受けて!』★日本経済新聞の家計簿アプリデータ分析によると、6月は65歳以上のシニア消費の急回復が見られた。 ★新型コロナウイルスの重症化リスクが高い高齢者ほど昨年から外出自粛に努めていたが、高齢者のワクチン接種が進み、これまで控えてきた(我慢してきた)分までお金を使う「リベンジ消費」が増えた。 ★特に増えたのが、「交際費」「旅行」、そして「美容・衣服」。 保険薬局・調剤薬局においては、主たる顧客年齢層でもあるシニア層のこうした動きに対し、店頭での対応をどうすると良いでしょうか?...特に買物のベテランである高齢女性は、商品・サービスの購入の際には、雑談を楽しみながら、手に取って確かめ判断されますので、見知った薬剤師さん・事務員さんによるひと言・ワンポイントアドバイスは効果が大きいです。
2つめは、『著名マーケッター・神田昌典氏のコラム(日経流通新聞)』より。◆コロナ危機によって「近くの面白い店・楽しい店・こだわりの店」にチャンスが到来している。 ◆他社の事例を聞きたがる経営者が増えているが、他社事例をたくさん集めたがる人ほど思考停止に陥り、行動を起こさず、変革を諦めがち。 ◆目先の安定を優先した現状維持バイアスが強い日本人だが、何もしなければ(変革しなければ)、先はないこと・厳しいことも分かっている。 このコロナ禍で環境変化が4~5年前倒しで進んでおり、課題の先送りは将来的にもリスクが高くなります。ビジネスモデルの限界が指摘されている調剤薬局においても、近い将来を見据えて、現状維持意識の壁を破っておきたいところです。
3つめは、『調剤併設型ドラッグとの違いを!②』★以前に日経流通新聞に載った大手ドラッグチェーン社長談からですが... ・集客の決め手は食品と調剤。調剤の来店客が待ち時間に日用品等の買物が出来る利便性をもっとアピールしていく。 ・ドラッグストアは品揃えが豊富で、入浴剤一つとっても20種類あるし、価格も安い。 ・コンビニが持つ機能を全て揃えて、売場が広く、食品・弁当やビューティー・OTC、調剤、そして長時間営業であれば、コンビニよりドラッグに行くと思う。 ★これに対して、調剤薬局は漫然と従来の処方箋対応だけやっていては、確実に目減りが続くことは必至。中小・個人薬局は弱者の戦略【ランチェスター法則】で「大手と同じ土俵で戦わず、 軸をずらす!」「接近戦に持ち込む!」発想で、 ・ドラッグにはないセレクト商品群を「この内容でこれぐらいならお値打ち!」という価格体系で揃える。 ・調剤待ち時間(平均12分)に、試飲やテスターを利用して気軽な会話が生まれやすくして、待ち時間を楽しいものにする。 ・処方箋対応だけだった会話の幅を広げ、患者さん・お客さんとの距離感を縮める。 コロナ禍以降、調剤薬局さまから「物販売上を上げたい」とのご相談が増えていますが、大切なのは、①お互いに店頭で物販を売る(買う)ことに慣れること。②目立つ陳列やPOPで関心を持っていただくこと。③試飲などを通じて雑談・会話のキッカケ作りをすることが新たな物販売上につながります。 代表取締役 天 野 晃 治 |