こんにちは。昼間は季節先取りの暖かさになってきましたね。病院勤務の次女が先月ワクチン接種を受けましたが、4月末から始まる予定の高齢者へのワクチン接種では、各市町村の薬剤師の活動も期待されています。 さて、調剤薬局を巡る事業環境が大きく変わってきた中でのコロナ禍も早や1年2ヶ月。特に第3波で患者数が平均▲10%減った11月以降では、調剤薬局での物販について2つの変化を感じます。一つは、収益悪化補填のために物販の必要性を訴えるオーナー・責任者・現場の薬剤師・スタッフの方が増えていること。もう一つは、患者数が減ったので物販売上が減った先がある一方で、患者数が減ったからこそ、物販への意識が高まり、患者さんとの処方箋以外の会話が増えた結果、物販額が大きく伸びている先もあること。こういう時だからこそ、考え方が大事になりますね。 令和3年4ヶ月めの今月も『モノでなく、お客さん目線で考える!』という視点から3つシェアしたいと思います。 1つめは、小阪裕司先生の久々の新刊「顧客消滅時代のマーケティング(PHP研究所)」より。★ワクチンが普及してもコロナ前に戻ることはない。既に以前から進行していた変化がコロナによって前倒しされたに過ぎない。 ★コロナ禍で顧客は行くべき店の選別を行っていた。選ばれなくなった店や商品にとっては「顧客消滅」は現実に。 ★この状況下で顧客が戻ってくるのは、「コスパがいい(安い)店」又は「心を豊かに(楽しく嬉しく)してくれる店」。 ★コロナ禍だからこそ、「リアルな接触」は重要。...人が来たくなる場・話したくなる場を作ることが重要。 小阪裕司先生の指摘を借りれば、【人が来たくなる、話したくなる場所では、コロナ禍でも消費は増えている!】。せっかく来店してくれている患者さん・お客さんとの距離感をもう一歩縮めていきましょう! 2つめは、「興味深いスキンケアのサンプリング効果」より。◆91%の人が店頭でスキンケアのサンプルをもらった経験があり、86%の人が実際にサンプルを使用。高い確率のものでは、サンプル使用した人の46%が購入している。 ◆美容室では66%の人が美容の専門家であり、楽しい雑談も出来る美容師のススメを実行したり、購入している。 ◆化粧品の無料サンプル利用率は健康食品などに比べて突出して高い。また、サンプルによって購入した人の3人に1人はリピーターになっている! ◆逆に、サンプル利用後に購入につながらなかった理由は、「価格が高かったから」「サンプル利用だけで満足した」「もともと無料サンプルが欲しいだけだった」。...特に年代が低いほどこうした傾向が強い。 凄い確率ですよね!...見知っている人であり、楽しい会話と共に、専門的なことも相談できる人からのおススメへの反応率の高さ。薬局・調剤薬局におけるサンプル使用にも同じことが言えるのではないでしょうか。 3つめは、「まず3回利用してもらうことの重要性!」★基本原則である、【売上=①客数×②お買い上げ額×③リピート】。...コロナ禍で客数が減っているからこそ、「お買い上げ額」と「リピート」が重要になっています。 ★興味深い事実ですが、再来店(リピート)率の上昇率は直線的ではなく、2~3回め以降に急上昇する。 ①初めて来たお客さんの再来店(リピート)率は10%程度に過ぎない。 ②2回来たお客さんの再来店率は約30%に上昇し、3回来たお客さんの再来店率は50%近くにまで上昇する。 ③それ以上になると、7割以上のお客さんがリピーターになる! ★ポイントは、「常連になってもらうには、まず3回来てもらうこと!」。 この点からすると、初回割引やクーポンでの集客だけに頼り、せっかくのお客さん対応が今一つの飲食店・美容院などでは、むしろマイナス。せっかく初めて来てくれたお客さんへの対応の重要性が分かりますね。 ★同様に、ある商品・サービスのリピーターになってもらうには、「まず、3回買って(利用して)もらうこと!」。 3回以上、買って頂いて、初めてリピーターになるのですから、1回めの印象、次につながる会話、フォローの重要性が分かりますし、上記の「物販額」や「サンプリング」にも通じますね! 代表取締役 天 野 晃 治 |
令和3年4月1日付
- 投稿日:2021年4月 1日