さて、調剤報酬改定から4ヶ月。7月末に愛知県豊田加茂薬剤師会研修会で「薬局薬剤師を取り巻く環境変化と、5年後・10年後の姿」と題してお話しさせていただきました。変化が確実に始まっていますので、5年後・10年後の未来予測をして、お客さま・患者さま、そして地域住民の方に選ばれる薬局形態を目指していきましょう!
平成30年8ヶ月め、今月も『モノでなく、お客さん目線で考える!』という視点から3つシェアしたいと思います。
1つめは、「顧客満足だけでは、お客さんは逃げる!」
- 「売上=①来店客数×②お買い上げ額×③リピート率」という原則にあって、【顧客数を伸ばすこと】と【平均利用額を伸ばすこと】の両方が必要です。
- オラクルひと・しくみ研究所代表の小阪裕司先生は、日頃から「売上をもたらすのはお客さんの行動」であり、その大事な柱は、【顧客作り】【動機づけ】【絆作り】であると言われています。
- 即ち、「単なる表面上の顧客満足だけでは、お客さんは逃げる!」
1.顧客作り・・・顧客とのキッカケ作り、関係作り、絆作り。そして顧客が集まるコミュニティ作り。
2.お客さんの動機づけ・・・お客さんが気づいていない価値・必要性を伝えること、教えること。
3.「来て良かった」「お店に来ると楽しい」「また来たい」と思ってもらえる店づくり・雰囲気づくり。
2つめは、「難聴は誰にでも起こりうるもの!」
- 加齢と共に難聴が進むのは自然な流れ。聴力低下は30代から既に始まっており、補聴器の必要性を感じるのは70歳前後が多く、購入動機は①聞こえが悪くなった(自覚)、②医師の勧めで、③配偶者・子供・親戚・友人の勧めで。
- それに対して高齢化が最も進んでいる日本の補聴器の普及率は欧米の半分以下。
- 1900万人の難聴者のうち、半数が難聴を自覚していない。
- 補聴器保有者の半数は補聴器専門店で購入しているが、初めてのお店には行きにくい消費者心理がある。
- 通販で購入した場合(その多くは補聴器でなく全ての音を大きくする集音器)、その満足度は相対的に低い。
3つめは、「お客さまの潜在的な購買力の高さ」
- 「消費の9割は女性が決める!」と言われる中にあって、これからは時間的に余裕があり、ケースバイケースで消費を使い分け、他の年齢層より購入単価が高い、70歳以上の元気な女性が消費の主役になる。
- 70歳以上の女性はお店のスタッフとのコミュニケーションから得られる感情的な満足に、たくさんのお金を支払う傾向がある。実際、安いものはスーパーや量販店で買い、イイもの・高いものはそうしたお店で買っている。
- 弊社のお取引薬局さま・調剤薬局さまでの事例ですが、
- 先日、弊社担当者が【お任せ什器】を2台設置したばかりの薬局さまで、1人の女性のお客さまがリンクルクリーム・ローション・美容液プレミアム・ハンドクリーム、そして天山精V 3本パックをまとめてご購入。
- 猛暑となった先月、「友達にもあげるから...」とデスクワンDを3~4箱、飴を1ケース購入された女性。
- 便通に悩んでいた患者さんが「良かったので友達にも」と乳酸菌+7を3ヶ購入された。
代表取締役 天野 晃治