こんにちは。6月の月末は梅雨らしくなりましたが蒸し暑くなったり肌寒くなったりが続きましたね。気象庁の7~9月(3ヶ月)予報では気温は平年並みより高い予想ですので、暑さ対策・トラブル肌対策・食中毒対策が必要です。
さて、5月末に退任した金城学院大学薬学部協力会会長の4年間を会報に書いて欲しいと大学から依頼されました。振り返りますと、全国の薬学部にとっても大変な時期でしたが、何事も変化への耐性が根づき、全体的な結果が伴ってくるまでにはそれなりの時間と、習慣的な行動や負荷が必要だと改めて感じました。
今月も『モノでなく、お客さん目線で考える!』という視点から3つシェアしたいと思います。
1つめは、先月の日経MJの「調剤薬局大手が健康相談に乗れる薬局数を拡大する」の記事より。
- N調剤では2019年度末をめどに560店のうち150店を健康測定できる健康チェックステーションにし、測定結果をもとに薬剤師が健康相談に応じたり、管理栄養士が食事のアドバイスをする。
- 大手チェーンドラッグの調剤併設店でもこれから健康サポート薬局に力を入れる先もあり、N調剤としては健康チェックステーションで地域住民の来店動機を作りたい考え。
ほとんどの調剤薬局に共通する問題は、処方箋をもたない来店客・利用客が少ないこと、ほとんどないこと。健康サポート薬局申請には、まだまだ温度差がありますが、いつでも申請できる【健康サポート機能】を有することは、地域住民の方・お客さまの来店動機につながります!...弊社では先月5件ですが、お取引のある調剤薬局さまで健康サポート薬局申請へのOTC48薬効を含めての設置がありました。ペースを上げてご協力したいと思います。
2つめは、『薬局はどう見られているのか?』
先月、4000人ほどの薬剤師が参加登録しているFBグループの中での投稿で色々な意見が出ていました。
- 7割が門前という歪な形で進んでしまった日本の医薬分業。そして最近の院内への揺れ戻しや偽薬・不正請求問題。
- 処方箋枚数が多くてとても忙しいから、今までもそうだったから、...という理由で"1分服薬指導"で終わり、他には何の会話もない薬局・薬剤師。
- 今までは処方箋調剤以外には目を向けなくても、調剤だけで経営が成り立っていたビジネスモデルが終焉を迎えようとしている中で、これからの将来に対して薬剤師一人一人がどう向き合うのか?
「調剤以外に何もやらない、話してくれない」という批判の声がある一方で、院外処方を希望する人たちの理由の多くは、「医師には聞けないことを街の薬局の薬剤師には話しやすいし、相談しやすい。」ということが分かっています。
3年後・5年後に向けて、具体的に何を始めたり、意識的にするように心掛けるべきでしょうか?
3つめは、『近所で生き残っている業種店の強みとは?』
- 全ての業種で量販店がある時代。近くて便利なコンビニがあり、家にいながら注文できるネット通販まである大変な事業環境にあって、普通に考えると大変だろうな...と思う近所の喫茶店・美容院・クリーニング屋さん・ふとん屋さん・お饅頭屋さんが数多く生き残っています。
- 理由を考えてみると大きくは2つあって、
- 一つは、一回当たりの金額は小さくても、繰り返し買っていただいたり、使っていただく独自の商品やサービスを扱っていること。
- もう一つは、その商品やサービスを提供する時とか会話の中で、店主の人間性や人柄が伝わりやすいこと。小さな【コミュニティの場】になり得ること。
これは、接触頻度の法則(ザイオンスの法則)からも説明できます。即ち、「人は3回会ったり話したりすると、拒否反応が薄くなり、受け入れやすくなる」。われわれの業界においても、ドラッグチェーンやドラッグストアの調剤併設店、調剤薬局チェーンとの競合が激しくなる中で、これから繰り返し自店で商品・サービスを買っていただいたり、自店で調剤を繰り返し利用していただくには、どの様な1・2が考えられますか?
代表取締役 天野 晃治